今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

復興の拠点、広野町。激走の歩道橋。ー福島浜通り彷徨編⑤

前:立ち入り禁止が解除された浪江町の現在 ー福島浜通り彷徨編④ - 今夜はいやほい 広野町は夜だった。 21時頃だろうか。車は真っ暗な道を走っていた。スーパーで買いこんだ酒とつまみが後部座席に雑多に置かれていた。 「じゃあ、宴会の準備も整ったことで…

立ち入り禁止が解除された浪江町の現在 ー福島浜通り彷徨編④

前:広野町をどんどん北へ。津波が押し寄せた町の跡には鳥がたくさんいた。福島浜通り彷徨編③ - 今夜はいやほい 広野町を抜けたところで、眠りに落ちた。数十分ほど寝て、目をさますと、車は大熊町を走っていた。窓から外を見ると、店内が物で散乱しているコ…

広野町をどんどん北へ。津波が押し寄せた町の跡は鳥であふれていた。福島浜通り彷徨編③

前:上野からいわきへへ行くには鈍行列車で3時間30分もかかります。エコノミー症候群に気を付けてください。 - 今夜はいやほい いわき駅に到着したわれわれは空腹を満たすため、昼食をとることにした。駅を出るといいかんじにひなびたみふみ屋という名の肉屋…

上野からいわきへへ行くには鈍行列車で3時間30分もかかります。エコノミー症候群に気を付けてください。-福島浜通り彷徨編②

前回:福島県浜通りを僕らは北へ - 今夜はいやほい 朝食のサンドイッチ 上野駅8時2分発の電車に乗り込んだ。鈍行列車でかたこととおだやかな振動に揺られながら福島に向かった。がらがらの車内にぽつねんと据え付けられたボックス席に腰をかけた。朝の空気を…

福島県浜通りを僕らは北へ -福島浜通り彷徨編①

旅の帰りの電車である。常磐線は暗闇の中を東京に向かって走っていた。 「今回の旅行は、ブログに書くの?」と先輩が尋ねてきた。 「書かないんじゃないですかね~」僕は答えた。 「え、書かないんですか!?」後輩の加藤はからかうように言った。 「うん、…

夜の巷を徘徊するのはとてもたのしい

夜の街を歩くのは楽しい。道端では真っ赤な椿がめらめらと咲いていたり、24時間営業の飲食店には都会の疲労が渦巻いていたり、昼にはきらびやかな美容室がしーんと眠っていたり、信号は神経質にチカチカチカチカ光っていたりする。 昨年はたらと夜の街を歩き…

またいつか、喫茶店のメロンパン老婆

ドアを開けると、老婆が新聞に目を落としながら煙草を吸っていた。すみませんと申し訳なさそうな声色で話しかけると、こちらへ顔を向けた。よく来たねとにやりと笑った。そこ座ってと入り口わきの席へ座るよう促された。その椅子のマット部分は盛大に破れて…