今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何かについて考察するブログ

大学4年生なのに突如シドニーに留学することにした編

ぼんやりツイッターを眺めていたらこの記事が流れてきた。

 

nyalra.hatenablog.com

 

全般的に哀しさが漂っているお話なのだけれど、どこか人を感傷的にさせる若者の愚かしさがなんとなくよくて、3回も読んでしまった。あ~ルームシェアしてみたいななどと思っていたら、そういえば、自分もシェアハウスに入居していたことがあることを思いだした。

 

大学3年生の夏も終わりの頃、僕は就職活動がどうやら迫ってきているらしいことにはたと気が付いた。え?もう就活しなきゃいけないじゃん…… 聞いてないんだけど……?だらだらと本を読み、音楽を聞き、ツイッターを見ながら朝6時に眠るというような生活をおくる怠惰な大学生だった僕は突如現実に引き戻されていくような感じがして、困惑していた。夜更かしがない世界に生きる喜びはあるのか、と。

 

秋口に差し掛かったころ、喫茶店で、ハワイ留学から帰ってきた友人に久しぶりに会った。

 

「ひさしぶり、やけてるね~」

 

「きくち、ハワイはまじで最高だぞ。絶対に行ったほうがいい。毎日酒を飲んですべてがバカンスだ」

 

「すべてがバカンス……」

 

「ドイツ人の女の子を誘ってな、浜に行くんだよ、真っ赤に落ちていく太陽を眺めて、酒を飲む、わかるか?」

 

「わかる」

 

「すべてがバカンスなんだ」

 

ハワイ帰りの友人は彼の地を第二の故郷と呼ばんとする勢いで郷愁に耽った顔をしていた。

 

「お前も行って来たら」

 

「留学か……たしかによい気がする。南の国で何も考えず、酒を飲みながら夕焼けを見たいぞ!」ほんとうにそんな気分だったのだが、今考えればよこしまであったなあと思う。

 

果実の浮かんでないトーキョーアイスティーをすすって彼はいった。

 

「じゃあ、行くしないな」

 

「行くしかないか」

 

彼の断定的な口調はよく僕をよからぬ方向へ誘導していった。

 

「ハワイから帰ってくる前に、語学学校でできたメキシコ人の友達に会いにメキシコシティ行ってきたんだよ。そしたら、そいつマフィアの息子でさ、親父マフィアだったの」

 

ほら、といい、友人はiPhoneの画面を見せてきた。友人は、メキシコシティの路上に止めてあるトラックの上でコロナを飲んでいた。天高く輝く灼熱のメキシコ太陽は後光のように彼を照らしていた。マフィアの親父に乗せてもらったんだと彼はケラケラ笑っていた。

 

僕は、友人のコミュ力に震えていた。彼のコミュ力は人知を超えたものがあった。大学2年生の頃、おいきくち、あのサークルが気になるから遊びに行こうぜと誘われ、とあるサークルにお邪魔したことがあった。僕はあまり乗り気じゃなかったので深くかかわらなかったのだが、彼は巧みな話術と破天荒なキャラ、周りを顧みない半暴力的行動力によって、ものの2か月で20人ほどのサークルの主催者にとって代わってしまったのだった。

 

「留学行くと友達がたくさんできるぞ。そういえば、ドイツ人の友達は、普通のやつなのかと思ってたら、実はネオナチで、FBのメッセンジャーで中古の日本車を破壊する映像送ってきてさ、いや日本人のおれにおくるもんじゃないだろって思ったんだけどさ」などと、さらに恐ろしいことをさもこともなげに言った。

 

彼が嵐を呼び寄せるのか、嵐が彼を呼ぶのか、はたまた彼自身が嵐なのか、とにかく悪魔的なコミュ力を持つ男だった。

 

そんなこんなで僕は悪魔のささやきに耳をかたむけ、みるみるうちに、現実の逃避をかね、何やら楽し気?な留学をしてみたい気分になっていったのである。

 

 しかし、現実的にもう三年生も後半にさしかかり、大学を経由して留学をするには期限がとっくに過ぎていた。かつまったくお金もなかった。とりあえずバイトをしてためていた30万円ほどを元手に、そのころ留学先として急速に流行っていた、フィリピンにいき、そのあと、オーストラリアに行くことにした。オーストラリアはスチューデントビザでもワーホリビザでもバイトができるので、まあ向こうに行ってバイトすればいいかと極めて安直かつ無思慮に決意を固め、大学にほいっと休学届を出したのだった。

 

そんなこんなで、僕は、通常であれば日本ですごすはずだった大学4年生の夏、フィリピンを経由しオーストラリアはシドニーに上陸したのだった。

 

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夏といっても、オーストラリアは南半球なので、季節は冬であった。空っ風が吹いていたが、そこまで寒くいわけでもなく、大変過ごしやすかった。日本でいえば11月くらいの気温だった。

 

つづく

kikuchidesu.hatenablog.com