今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

青年よ紋別を目指せ。はまなす通りは天国で居酒屋たきは桃源郷だった。

2018年、酷暑。平成はみしみしと音をたてながら終わりを迎えようとしていた。昭和の青年といえば荒野を目指すものであった。平成の果てのわたし27歳はどこを目指せばよいのであろうか。そうだ、北海道だ、なぜだ、涼しいからだ。

 

成田から新千歳へ。レンタカーを借りた。メラメラの赤いアウディーだった。北海道の青空に、赤いアウディーは冗談のようだった。とにかく北へ行こうと思った。友人の加藤は男たるものつねに先端を目指すものですよといった。目的地は日本の北端、宗谷岬となった。

 

景色もいいだろうということで、北海道の東側へと出て、海沿いを走って、宗谷岬へと向かうことになった。車をぐんぐんと走らせる。途中、財政破綻した町、夕張を通った。雪の重みで、たくさんの家がぺしゃんこにつぶれていた。だれも歩いていない通りにぺしゃんこに家が並んでいる。日本の将来を思わせられる光景だった。

 

400キロほど走って、夜、紋別に到着した。紋別はとにかく最高だった。この記事は、それについての話なのである。

 

紋別オホーツク海に面しており、北海道の右斜め上あたりにある。何があるかといわれると流氷と漁港がすこし有名である。ぼくたちは、特に何か目的があって紋別へやってきたというわけではなく、なんとなく車で北へ走っていたら、ちょうど夜になった頃、車で走っていたのが紋別だった、というとてもぼんやりとした感じで、ここに泊まることをきめたのである。

 

よい街には文化がある。はまなす通りの街明かりの哀愁とうまいもののにおいは文化の在処をかんじさせた。

 

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はまなす通りには目抜き通りを中心として、複数の路地が伸びている。それぞれに風や雪の名残があり、独特の印象を持っている。

 

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いい傾きを見せている

 

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絶対に怪しい地下道への道

 

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雪が降り積もったころにまたきてみたい

 

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あまたある路地の中から、僕たちが選んだのはここだ。

 

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なんとうらぶれた袋小路

 

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なんとなくうまいものがありそうという、きわめて適当な理由で居酒屋たきののれんをくぐった。

 

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老マスターがいらっしゃいと迎えてくれた。地元のお客さんがちらほらと見えた。

 

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うち、メニューないんだよね、お酒別の2000円くらいでいい?とマスターは言った。マスターはがさごそとネタを取り出してそれを串刺しにすると、網の上にポンとおいた。そして、まな板の横においてあるジョッキを持ち上げてビールを飲んで、フーンと一息ついた。

 

これは、まちがいない。絶対にうまいぞという天の声が聞こえた。僕たちはかたずをのんで提供を待った。

 

ほたてとなにがしかの貝とまぐろのかまとろの盛り合わせである。

 

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あのな、このホタテは生なんだよ、普段食ってるやつは冷凍してあるやつだろ。全然違うからとマスターは言った。そんなに違うものなのかねえと一年の疑念を持ちつつ、ホタテを口に入れた。身がトロトロで全く繊維をかんじない。ほのかに甘くていい香りが口にひろがった。なんと上品なのだろう…おお……とおもわず感嘆した。

 

ホタテの感動冷めやらぬまま、カマトロである。見てほしい子の犯罪的なつやを!!!!

 

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うまい、なんだこれうまいと一気に食べる。あまい…油の重さもなくつるっとたべれてしまう。あまい身があまいのだ!とても最高においしい。最初の料理でこれとかいったいどうなってしまうのだ……

 

串焼きがやってきた。

 

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生でもうまい。焼いてもうまい。プリっぷりで最高にうまい。上質なホタテの優秀さよ!塩加減も絶妙である。

 

これもなんだかよくわからないけどとにかくうまい。ビールをのみながら適当に焼かれたとは思えない代物である。

 

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豪快な何かの魚がやってきた。でかい、そして油がよくのっている。うまいたいへんにうまい。

 

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最後、に出てきたのはエビだった。うまい、うますぎる。からごと丸呑みする。最後にエビ味噌をすう。磯の香りがすーっと抜けてくる。完璧だ……すべてが完璧だ…驚くなかれ2000円である!2000円!!!三人で10000円ほどだった。なんということでしょう!

 

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隣に座っていた客が、ここの店おいしいんだけどね…吉田類なんかが来たら大変なことになるだろうに。おれも、ちょこちょこ食べログとかに投稿してるんだけどさ、とかなんとかちょっと哀しみの表情で言った。食べログをひらいてみると、口コミがたったの4件、評価は3,06しかなかった。これは穴場としか言いようのない、圧倒的な穴場である。都内にあろうものなら、評価は4くらいついていてもまったくおかしくないだろう。孤独のグルメにでようものなら一瞬にして大人気の店となるにちがいない。

 

ひとしきりたべてしゃべって飲んだので、一回出ようということになった。マスターが2件目行くならすぐそこのラーメン屋がいいよと教えてくれた。袋小路の行き止まりの店であった。

 

戒家

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ほたての塩ラーメン。これが絶品であった。よい塩味、だしの香り、おいしすぎるチャーシュー、そしてほたて!うまい!!

 

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3人でおいおい、どうなっちゃってんだよ、人生最高なのかよ…とつぶやくと、無言絶句でラーメンをすすったのだった。

 

僕たちはこの時点で、ほとんど紋別に恋をしてしまったのだ。

 

夏も過ごしやすく最高だった。しかし、雪化粧に包まれた紋別もまた、確かに最高に違いない絶対にまた来なければならない。

 

最後にバーによった。こくている。すさまじい入りにくさである。東京にあったら絶対入らないだろう。しかし、旅は人の恐怖心を鈍くさせるものである。

 

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北国のバーという雰囲気があった。適当につくってもらった酒を飲んだ。マスターが目を細めてすかーっと煙草の煙をはいていた。おれも昔は東京にいてさと、昔話を、なつかしくなさそうに話してくれた。堅苦しくない、いごこちの良いバーだった。紋別には人生があふれていた。

 

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店を出て、最高だったねと肩をたたきあった。よいもまわっていた僕たちは調子に乗って、紋別万歳!と高らかに両腕を挙げて、ホテルへとかえった。