今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

ど真ん中に鯉が泳ぐ大きな水槽がある喫茶店、「田園」ー熱海の喫茶店たち①

人々はなぜ、熱海へ向かうのか。

 

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開発が一通り終わり、手近なリゾートとして、一世を風靡し、そしてまた廃れていくという、よくある諸行無常サイクルを経て、熱海は今、なんか古くさいところ的雰囲気を脱却し、いいかんじにレトロな世界観を作り出しているのである。熱海には、めくるめく昭和ワールドが展開されているのである。

 

そんなわけで、熱海にはレトロな喫茶店がたくさんある。田園という喫茶店に行ってきた。

 

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彼女が一度、田園に行ったことがあるらしく、とにかく素晴らしい喫茶店なのだと言うので連れて行ってもらった。

 

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昼過ぎだった。ドアを開けると薄暗い落ち着いた空間が広がっていた。ちょうど客がいない時間帯のようだった。

 

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ソファも壁もいい。 田園という名前もいい。

 

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私の理想の生活っていうのはねと彼女は言った。

 

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渡されたスマホの画面をみると、ロヴィス・コリントという人の”Woman by a Goldfish Tank”絵が映し出されていた。

 

www.myddoa.com

  

この喫茶店というのは、かぎりなく私の理想の生活に近いの。植物に囲まれながら、魚をみつつ、本を読んで暮らしたいのに、なんでわたしは、埼玉の田舎にすんでいるのかねえとちびまるこ風の口調で愚痴をこぼすと、絵画の中の女性のように、しずかに本を読み始めた。

 

鯉が泳いでいる……水の循環器がちょぽちょぽという音を響かせていた。 

 

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なぜ喫茶店の中にこんなに大きい水槽が置いてあるのかについては大きな謎なのだけど、内装も凝った作りをしていていいなと思った。やはり良い喫茶店というのはひっそり静かにあるべきだなと

 

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何の因果か、この世に生を受けて、熱海の片隅の喫茶店の中の水槽で泳ぐことになってしまった鯉をじっと眺めて、いろいろな生き方があるものだなと思う。これは、井の中の蛙ではなく、喫茶店の中の鯉である。

 

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井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る。であるならば、鯉は喫茶店を行き来する人間をみて何かを知るのだろうか…… 鯉が思慮深かったら楽しいけれど、思慮深かったら、鯉は水槽で発狂するに違いない……

 

ことほどさように、熱海の喫茶店は無類の個性を持ちながら、今日も街の片隅に佇んでいるのである。