東京でもっともチャーハンがおいしい町中華はどこなのか。
僕の(もちろん勝手な)回答は江戸川橋の新雅である。東京中の町中華を食べ尽くしたわけではないので、全くの個人的意見であることはご了承いただきたい。
ではなぜ、そんな妄言をわざわざ述べ出したのかというと、この記事を読んだからである。
町中華探検隊が選んだ「チャーハン四天王」とは?チャーハンの名店について語ってみた - メシ通 | ホットペッパーグルメ
僕は、この記事のタイトルを見たときに、一位はおそらく新雅と龍朋の二択だなと思った。この二店舗はわずか徒歩10分ほどの距離にあり、神楽坂ー江戸川橋エリアで人気を二分する名うての二大町中華なのである。知名度の高い龍朋がやや有利なのかな、と思いながら、どれどれとリンクを叩いてみれば……
一位、龍朋!!そう、龍朋なのである。予想通りではないか、神楽坂屈指の名店!
たしかに、龍朋のチャーハンはうまい!と言わざるを得ない。それはもちろん多くの人が認めるところであろう。ただ、だが、しかしである。新雅が2位どころか、ランクにも入っていないのである!いくらスクロールをしていっても新雅がない。龍朋が入っていて、新雅がはいっていないの!?そんなことあるの!?
僕は、龍朋も新雅にもよく行くのだけれど、新雅は、龍朋に負けずとも劣らない、いや、チャーハンにおいては、個人的な好みで言えば、新雅の方がうまいのではないか!?と思っているのである。にもかかわらず、新雅がランクにかすりもしていないのだ。そんなに埋もれてしまっているのか!?これは悔しい、新雅の宣伝をしなくては!と思い立ってこの記事を描くことにした。
これがその、新雅のチャーハンだ!!量がすごい!七百円!!(増税前は六百円だった。増税……)
新雅のチャーハンはまず、しっとりである。この時点で、パラパラ原理派のひとびとは袂をわかってしまうかもしれない。しかし、考えてみれば、チャーハンはまず第一に米料理である。すなわち米のうまさというのが料理の構成の中で極めて重要なのである。
パラパラ原理派の人々も冷静になってためしに一度味わってみてほしい。チャーハンは本当にパラパラでなくてはならないのか!?と……
餃子と組み合わせるのも良い。
チャーハンの具材のメインはチャーシューである。レンゲでいくらすくっても、ごろごろのチャーシューがこれでもか!これでもか!とでてくるのである。その幸福感たるやないのである。
そして、隠し具材に干し椎茸が入っている。口に入れると醤油に加えてほのかにきのこいい香りがする。干し椎茸の影響なのか、全体的にわずかに甘やかな印象もある。もちろん塩加減も完璧だ。
新雅のチャーハンは日本酒をバシャバシャかけて炒められている。強火で炒めるのでもちろん香ばしさもあるのだが、日本酒のおかげで口当たりがとても優しくふわふわしているのである。米のうまさがチャーハンの中に詰まっているのだ。ああ、米って美味しいなと素朴に思うのだ。これが本当に素晴らしいのである。
ぼくは一時期などは、週三回はこのチャーハンを食べていた。17時を過ぎれば、ああ、チャーハン……チャーハンと頭がチャーハンに占拠されてくるのだ。なんとも言えな中毒性が含まれているのである。
龍朋ももちろん屈指の名店であることは間違いない。しかし、新雅も決して負けていない名店なのだ!
ちなみに、付け加えておくと、新雅は肉野菜炒めも限りなくうまい。ラーメンに家系というやつがあるが、新雅の肉野菜炒めは、家系といっていい肉野菜炒めである。
これは好みが別れるのかもしれないが、とにかく味が濃い。味の濃い汁が野菜の下でスープのようになっているのだ。これを野菜に存分に浸して一気に食べる。新鮮でシャキシャキの野菜、豪快な肉、そして圧の高い味付け。すばらしい一品だ。
ラー油をたらすのもよい。
新雅は野菜炒めという健康的食事に、相反するジャンクさを持ち込んだ。この野菜炒めの中に矛盾する観念の崇高な統一が達成されているのだ。すばらしい!!
チャーハンのことを書こうと思っていたら、ついつい肉野菜炒めについても書いてしまった。なにはともあれ、新雅はすらばらしい店なのです!