今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

池袋、カリープンジェの斬新なキーマカレー。いつも突然カレーが食べたい。

二週間ほど前の梅雨の切れ間、朝起きると、体が無性にカレーを求めていることに気がついた。口および脳がカレーを食べる準備をはじめてしまう。カレーが食べたい食べたいという気持ちは、食欲というよりも、食衝動とでも呼ぶべきものである。寿司や蕎麦が食べたい、これは食欲の方に分類されるように思う。しかし、カレー、これを食べたいという欲望はもはや食衝動である。一度、カレーが食べたいという意識が芽生えると、もうダメなのだ。

 

そんなカレー食衝動にかられ、寝起きに池袋にいいカレー屋はないものかとスマホをいじっていると、ほとんど要町といっていい池袋の果てにカリープンジェ(curry Punje)という店があるのを見つけた。


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服を着替え、家を出た。池袋駅から徒歩10分ほどの距離の大変しずかな住宅街の中に、カリープンジェはあった。こじんまりとしたお店だった。食衝動をあくまで内側に留め平静を装いつつ、キーマとスープカレーのセットを頼んだ。布団の中で意識にカレーが去来してから2時間が経っていた。意識はカレーを食す方向で最終調整に入った

 

カレーはすぐにやってきた。胃がきゅーっと動いたような気さえした。チキンのキーマカレーを中心に、青唐辛子を炒めた物、チャツネ、芽ニンニク的なものを炒めた物、ココナッツをポテトサラダ的にまとめた何かが添えられている。なんともぼんやりとした解説だが、ぱっと見てなんなのかよくわからないのだから仕方がない。カレーは好きだが、カレー文化には詳しくないのである。

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まず、キーマカレーをたべる。チキンが繊維状でカレーの中を伸びている。水気は少なくねっとりとしていて、旨味が凝縮されている。スパイスの刺激加減もちょうどよく、ライスとの相性も大変良い。カレーの上には紫蘇とレーズンとカシューナッツが乗っていて、飽きさせない複雑な香りがする。青唐辛子と混ぜて食べると、ピリッとしてよい。なんとも斬新なのだけど、ばっちりカレーを食べている幸福を感じる。

 

退屈な休日の午後はカレーに限るなあとスプーンでカレーを混ぜながら思う。とりわけ夏である。秋、冬、春のカレーも悪くはない、しかし、やはり、夏の昼間のこの滅法暑いタイミングで、ひーなどといいながら食べるカレーは健やかに上手いのである。

 

芽ニンニクっぽい何かも混ぜる。シャキシャキとしていておいしい。ひとつの皿の上にいろんなものが乗っているので、食べる場所によって味、食感、香りが変わってくるので楽しい。次々といろいろな感覚が口内に生じていくため、カオスを食べているような気がしてくる。


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ココナッツもまろやかに甘くてカレーの味を消さずにいいかんじに溶け合ってくる。スパイス一辺倒でないのもよい。チャツネも口内のカレー感をいったん消去してくれるので、カレーが飽きにくく感じる。


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無心でキーマと付け合わせたちをぐるぐると混ぜながら諸行無常に変わりゆく味を楽しむ。最後にキーマにスープカレーをかける。酸味の効いた香りがたちあがる。パクチーの香りが後を追ってくる。キーマ全体の味がまた変わる。 うまいな……とひとりぼそっとつぶやく。通常生活している際に口内で生じるであろう一週間ぶんくらいの刺激が一食で訪れたかのような感覚である。味の百鬼夜行状態である。


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最後にチャイを飲む。どっさりとシナモンが入っている。刻んだミントの香りも爽やかで良い。個人的にはもう少しさっぱりしている方が好みだけれど美味しかった。


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夏はやはりカレーだなあ。

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