今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

池袋の外国人向けマンションの中にあるスリランカ料理フロリダ亭でバナナリーフカレーを食べる

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池袋の区役所の近く、レストラン・フロリダ亭はある。池袋から徒歩7分ほどだろうか。スリランカ料理なのにフロリダ亭。なんでも、ここのカレーはバナナリーフカレーと呼ばれるタイプのものであるらしく、その名の通り、バナナの葉にまかれたたカレーが提供されるとのことなのだ。

 

物珍しさに、行ってみんとて行ってみんとす!といった感じで大学時代の友人と突撃した。

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マンションに入ると、本当にただのマンション(マンションなのだから当たり前なのだが)で、よくあるちょっとした共用部とか応接室のような空間が食堂風に改築されてレストランになっている。ここはどうやら、外国人向けのマンションであるらしく、キッチンから放たれる香辛料の香りの中、部屋へ帰っていく様々な国籍の人たちが通路越しに見えるというなんだか大変不思議な空間なのである。

 

やや遅い時間に到着したこともあり、大変腹がへっていたので、一にも二にもカレーであるということで、さっそくバナナリーフカレーを頼んでみた。僕は最近カレーにやたらとハマっていて、この日は昼もカレーを食べた。カレーは大変良いものである。暑い日には汗をかきに、寒い日は体を温めに、落ち込んでる時には気分転換に、一人ひっそりと、あるいはがやがやと。そう、カレーは万事対応型飲食物なのである。

 

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バナナの葉をひらくと、ココナッツとスパイスのよい香りが立ち上がってきた。僕たちの興奮は一様に高まった。なんとも空腹を詰将棋がごとく的確に刺激するタイプの匂いである。僕は、なるほど、なるほど、そういうことかとカレーを目の前に、集中力を高めていった。日本人の恰幅の良い店長がやってきて、食べ方を指南してくれた。なんでも、このカレーというのは、欲望の赴くままぐちゃぐちゃにかき混ぜて葉っぱ内に混沌を生み出したのち一気に食べるタイプのものであるらしい。

 

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「いつからこの店始められたんですか」後輩加藤が欲望の赴くまま葉の上のカレーをぐるぐるととかきまぜる様をみながら、店長にたずねた。

 

「8月オープンなんですよ。何で知っていただいたんですか」

 

「池袋、カレーで検索してたら出てきたんですよ」

 

「ほんとですか。ありがとうございます」

 

「実際にスリランカの人が作ってるんですか」後輩加藤がたずねた。

 

「そうですね、スリランカの人に作ってもらってるんですよ」

 

「もしかして奥様とかですか?」加藤はなぞの鋭さを発揮した。

 

店長はすこしはにかんでそうなんですと答えた。人の良さそうな店長さんだった。

 

よきように攪拌されたバナナリーフカレー

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まぜおわったら、スパイス系のカレーの上によくのっているぱりぱりのやつ(名称不明)を砕いてまぶす。バナナリーフカレーの完全体である。

 

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「どれどれ…」「それでは……」などといいつつ揚げ卵をスプーンで割って、カレーと一緒にすくって食べる。ルーがドバドバかかっているというタイプのカレーではないので、どちらかと言えば、カレーピラフといった感じの趣である。口に入れるとまずカレーの香りがして、噛むと、野菜の甘みに、ココナッツのやわらかい香りと唐辛子のつんとしたアクセントが追ってくる。なぞのぱりぱりも食感を変えるのにいい感じである。

 

見た目のインパクトに反して品の良い味がするなと思った。これがスリランカの家庭の味なのだなとスリランカの家庭の味を知るはずもない僕は一人感心した……

 

食べたことのないものを食べるというのはだいたい楽しいことである。

 

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店長がココナッツの蒸留酒があるなんていうので、注文してみた。味としてはウィスキーに近く、ちょっと甘めである。

 

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ハイボールでも美味しいというので頼んでみた。元のアルコール度数がそんなに高くなく、ハイボールにするとちょっと薄い感じがするので、ロックの方がおすすめかもしれない。 

 

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メニュー

 

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屋上でバーベキューができたりもするらしい。

 

コデュコラサラダなるもの 。大葉とたまねぎ?をあえた感じのもの。 さっぱりしていていいかんじだった。

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 市役所で福祉の仕事をしている大学の後輩の仕事話を聞く。仕事が忙しいらしく、げっそりしていた。

 

「大丈夫なの、すごい痩せてるじゃん」加藤がすこし心配そうに言った。

 

「たしかに、頬とかがすこしこけてる感じするよ」

 

「最近、人がやめたりして、人手不足なんですよ。良くも悪くも僕がいなくなった瞬間に仕事が回らなくなるでしょうね」とちょっと陰気に彼は言った。

 

「そうか、大変なんだなあ」などとやや気の無いかんじの返事をするも、話を聞いていると、彼の仕事はなかなか社会的意義の大きそうなものであった。僕の仕事は明日なくなっても、ほぼ誰も困らないタイプのものである。あまり自分の将来の選択として考えたことはなかったのだけど、公務員の仕事は意義深いものがあるのだなあと、スリランカ料理を口に運びながらひとり感心した。

 

チキンコットゥなるもの。なるもの、なるもの書いているが、そう、聞いたことのないものばかりなので、なるものとしか言いようがないのである。醤油ベースの味の炒め物だった。酒にあう味で、ココナッツ蒸留酒を流し込んで口内をあいまにして、コットゥをつまむという作法を確立した。

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もりもり食べていると、共用空間に、ドルチェ&ガッバーナの香水が流れはじめた。スリランカ料理屋のフロリダ亭でドルチェ&ガッバーナ。かなりのカオスである。その香水のせいだよ。ココナッツの香りにつつまれながら聞く、そのフレーズはなかなかのシュールである。

 

しめにミャンマーラーメンなるものを頼んだ。このマンションにはミャンマーの人がけっこう住んでいるらしく、その人たち向けに作っているメニューであるらしい。先ほどのメニューの一覧には載っていない裏メニューである。店長さんは、これけっこうミャンマーの人たちに好評なんですと言っていた。

 

これまた、非常に家庭的な味がする。ココナッツベースのつけ麺のような感じまろやかな味だった。もう少し麺が硬めだとよいなとおもったけれど、現地の人たちから好評とのことだったのでこれがミャンマーの麺なのだろうなと思った。そもそも、日本というのはやたらと麺にコシをもとめがちなところがある。蕎麦的麺類感覚に囚われすぎなのかもしれない。

 

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さいごに、セイロンティーとアイスを。そう言えばスリランカと言えばセイロンティーである。 途中、マンションの住民が何かを注文して去っていくのが見えた。フロリダ亭は、本当にこのマンションの食堂としても使われているようだ。ちょっと不思議なこの空間で、未知の料理を食べるのは、なかなか楽しいことであった。三人で1万と200円くらいだったと思う。今度は海老カレーを食べてみたい。

 

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