今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

階段を降りる幼稚園児ら

秋晴れの一日の終わりに、シーツと毛布を洗濯したくなった。そんなわけで、近所のコインランドリーに向かった。家の向かいのマンションの裏手に黄色い花が咲いているのが見えた。コインランドリーの中には誰もおらず、黄土色の洗濯機と乾燥機が横並びに均質な音をたて稼働を続けていた。しばし角に置いてある椅子で待った。コインランドリーは洗剤の乾いた良い匂いがする。

 

スマホも持って来ていなかったので、何もすることがない。しかし、乾燥機が頑張っているので、この空間に必要な頑張り総量は必要数に達しているはずである。なのでただ座っている。

 

乾燥機の中で回転を続けたシーツがふわふわになって出てきた。コインランドリーにいる人間というのは、大抵の場合くたびれているが、反して、吐き出されてくるものは一様に清潔でエネルギーに満ちている。過度にきれいになってしまった気がして手の上で少し持て余す。

 

コインランドリーを出ると、英語教育をしているとかいう噂の幼稚園が入居するビルの階段を、さらさら髪の幼稚園児がひとり降りて来た。灰色のマスクをしていた。園児はなんとなくまっすぐ前をみて「I Don't know」と言った。後ろから雪崩れるようにぞろぞろと、園児たちが降りて来た。ぴんぴんと跳ねたり、行動未満の行動のようなものを繰り返し、園児たちはどこかへ去って行った。

 

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