今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

ほうじ茶クッキーのスーパーカップがやたらとうまい

引っ越してきた築30年オーバーのマンションの僕の部屋は畳張りだ。ドアを開けると、ふわふわと枯草のような匂いがする。春になってあったかくなってきたことによって、匂いが増幅したような気がする。乾いた洗濯物を畳の上によく放置しているので、会社で、あいつ畳の匂いするな、くすくす、と陰口を叩かれていないか不安だ。

 

畳のいいところとよくないところは、一点に集約される。寝転がると無性に気持ちよいということである。適度な硬さで、フローリングのように冷たくもないので、ごろごろとしていると、時間があっという間にすぎていく。寝落ちしても、畳はダメージが少ないなどの利点もある。

 

アイスといえば夜であり、その時刻は深ければ深い程よい。畳の上でほうじ茶クッキー味のスーパーカップを食べていると、スマホが震えた。まず一言いっておきたいのは、このアイスは天才的であるということであるということだ。アイスの甘さ、追いかけてくるほうじ茶の焦げた香り、口に残るクッキー。やたらとうまいアイスを畳の上に置いて、スマホを手に取ると、画面には母の名前が表示されていた。

 

ちょっと前に父が倒れたりしていたので、なにかよくない知らせであったら嫌だなと思いながら、電話を取ると、「あ、元気」と母は言った。

 

そのトーンからそんなに悪い話ではないらしいということがわかった。あのね、と言って、母は、車から変な音がするからそろそろ買い替えないといけないのと言った。それでね、と言って、お前の名義で、昔、積み立てていた口座にちょっとお金が入ってるから、それを、私の口座の方に振り込んでおいてほしいのと言った。

 

「はいはい、わかった」というと、それでね、あのね、と言って、母は最近はとにかく仕事が忙しいのと軽い調子で嘆いた。それでね、あのね、だからねと言って、なんでもない世間話をした。母は、昔よりも間を埋める言葉が増えてきているようだった。最後に小言が添えられ電話は切れた。

 

ほうじ茶クッキーアイスを食べる。カロリーに満ちた味がした。本当にうまい。畳から腰を上げて、空になったカップを捨てた。最近、布団をかけると暑くて寝苦しい。