2017-01-01から1年間の記事一覧
2017年の流行語大賞はインスタ映えだ。SNSが誕生して、だれもが自分の日常をきりとって、ぱーんと拡散するようになった。目の前の出来事や、ちょっとしたこころの動きとかそんなものを、おしゃれにカラフルにつかまえるのがうまい人がいる。 kiki vivi lily…
前: 舟山老酒と中国共産党綱領。ベニヤ板ベッドで眠る。 中国廃墟潜入編⑤ - 今夜はいやほい ベニヤ板ベッドで目を覚ました。朝、6時30分だった。時差を考えると、自分が会社に行く時間に起きたのだとすぐにわかった。目覚ましをかけずとも起きてしまう体に…
前:嵊山島上陸、廃墟となった後頭湾村で犬が吠えた 中国廃墟潜入編④ - 今夜はいやほい 記憶が定かじゃなくなってきたのでディレクターズカット版。 タクシーに乗る。廃墟から帰還する際に嵊山島のトンネルを通る。これが底なしの恐怖。工事中のトンネルはな…
前: 出上海、一路、枸杞島へ。船でお姉さんは絶句した、酒が必要だった 中国廃墟潜入編③ - 今夜はいやほい 「ついた!ついたぞ~!!」僕は4時間閉じ込められた閉鎖空間から解放された心地よさでいっぱいであった。 「じゃあ、市内のほうへ向かおうか」とい…
前:響きと怒りのチケットカウンター、南浦大橋で声は破裂した 中国廃墟潜入編② - 今夜はいやほい われわれの目的地は嵊山島(しぇんしゃんとう)だったのだが、そこへ行くためには、まず枸杞島(ごうちとう)に上陸する必要があった。 霧ははれてきたものの、上…
前 始まりの上海浦東空港、夜霧の南浦大橋、タクシーのメメントモリ 中国廃墟潜入編① - 今夜はいやほい 南浦大橋についた我々は、バスターミナルでチケットを買うために列に並ぶことにした。目的地は上海沖の小さな島の廃村だったので、空港に5時につき入国…
さよなら、東京 午前5時、上海空港の到着ロビーを出た。空港の無機質な空気を脱し、アジア的な濃度のむっとした空気にどわっと包まれた。ああ、異国に来たのだ。出口前で捕まえた、少し機嫌の悪そうな運転手のタクシーに男4人で乗り込んだ。 助手席に座った…
固定幅に植えられた街路樹が路面に影を落としている赤羽の午後、フルーツパーラープチモンドへ向かった。赤羽は雑多な街である。巨大な商店街、白煙が立ちのぼる飲み屋街シルクロード、群居する公団、高低差強めの街並み、歩いているととても楽しい空間だ。…
ノー残業デーの水曜日に2時間残業して、19時。新豊洲駅に会社の同期を呼び出した。週の半ばの倦怠を打ち消すため、何かしよう、そうだ、シェアサイクルを使ってみようということになったのである。最近都内のいたるところでみかけるようになった、真っ赤な電…
「運転するって言いましたよね」 「言ってない」 「いや、言ってましたよ……」 先輩の「俺が運転するよ」というLINEメッセージにうながされ家を出たはずが、気が付くと結局自分で運転することになっていた。シェアしているぼろぼろベンツは友人が使っていたの…
つづきkikuchidesu.hatenablog.com 「たぶんこっちだな」 先輩はいやに細い道を進むよう指示した。 「何があるんですか?」 「たぶん何かがある」 「ほんとですか?道めちゃくちゃ狭いんですけど……」 「あ?行くっていったら行くんだよ!!大丈夫だから!」 …
一年ほど前にピアノを習い始めてから、ときどきYoutubeでピアノの演奏動画を見るようになった。ネットの海を泳いでいたら、harisenbonreikoという方がの動画に邂逅し、めちゃくファンになってしまった。まだ高校生?か大学生?くらいの年齢みたい。一番好き…
友人とシェアしている40万円のぼろぼろのベンツはレインボーブリッジを渡った。 「いやあ、東京はきれいだね、やっぱり東京が一番ですよ」 摩天楼がそびえたつ景色を車窓から眺めながら先輩はひとりごちた。しばらくすると、マリンタワーが見えてきた。 「お…
暑い、毎日が暑い。空焼きしたようなアスファルト、吹き付ける熱風、逃げ水がはいずり去っていく。そうだ、軽井沢へ行こう。軽井沢といえば避暑地、避暑地といえば、軽井沢なのである。きっと涼しいに違いないとの目論見の元、ひとり1万5千円の貸別荘を予約…
Negiccoはどれくらい有名なのだろう。新潟の地方アイドル。地方アイドルにしては有名だけど、一般的にはあまり知られていないのかな。Negiccoのベストアルバムが発売される。Negiccoの楽曲の作曲家には日本を代表するようなポップソングの名手たちが集結して…
16世紀イタリア、ダヴィンチやミケランジェロが好んでいた料理を食べるイベントに行ってきた。お値段5000円。主催は音食紀行という団体?個人?食事と音楽による世界音楽旅行がコンセプトみたい。 twitter.com過去、変わったものを食べるイベントをいろいろ…
これのつづき kikuchidesu.hatenablog.com そこそこの味のやや冷めているステーキを食べ終えたころ、加藤がやってきた。 加藤はわたしの友人の中ではめずらしく、きらびやかな世界で働いている広告マンであった。仕事は常に忙しいようで、何か集まりがあれば…
サニーデイサービスというバンドがいる。はっぴいえんどを彷彿させるフォークっぽいサウンドにけだるい歌詞、青年期のどうしようもない感じを切り取ることに非常にたけているバンドだ。90年代に活躍して2000年に解散したけれど、最近になって再結成し、ポッ…
キリンジはKIRINJIになった。 キリンジをしらない人にはなんのことやらだと思うけど、キリンジはKIRINJIになったのである。 KIRINJIはキリンジとはなかなか趣のちがうグループとなり、それはそれでよいのだけど、時々は、あの朴訥とした、よくわからないコー…