2019-01-01から1年間の記事一覧
”楽しい事なら 何でもやりたい 笑える場所なら どこへでも行く” 青空、ひとりきり – 井上陽水 「来週大分にいくんだよ」 仕事をやめ、ここ一年ほどニート生活を送っている大学の先輩がLINEを送ってきた。 「へえ、何をしに?」 「田んぼだよ、田んぼ。大分に…
田んぼオタクの大学の先輩が、木曜の夜中に、おい、今すぐ大分まで田んぼを見に行くぞと言うので、金曜にLCCの航空券を買い、土曜の始発の電車に乗り込み、はるばる大分までやってきた。なんでも大分には、田んぼおたく界隈にとってのメッカとでも言うべき、…
僕は池袋が好きだ。毎週末予定がなければ必ず池袋にいる 日曜日、目がさめるととりあえず二度寝をする。微睡みから抜けてきたら、スマホでツイッターなどを一通り見る。そのあと、特に何をするでもない虚脱の時間を1時間ほど挟み、体の細胞たちの50%が起き…
渡り蟹の醤油漬け、カンジャンケジャン。韓国料理である。カンジャンケジャンはとにかくうまい、韓国へいくならまずこれを食べるべきであると以前、友人から聞いていた。渡り蟹の醤油漬け、うまくないわけがない。 ソウルについてすぐ、阿峴洞カンジャンケジ…
珈琲韓薬房・커피한약방(コーヒーハニャクバン) 珈琲韓薬房はソウルの中心地の乙支路という街区にある。ダクトや謎の配線が垂れている、人ひとり分くらいの細い細い通りにある。まさに正しく路地である。こんなアジア的風景を僕は求めていました!! 僕は…
僕らにはー少なくとも僕にはということだけれどー万難を配してでも牡蠣を食べなければならない時がある。 と村上春樹風に書き出してみた。なぜかといえば、村上春樹のエッセイの「もしも僕らのことばがウィスキーであったなら」という本の中で、アイラ島のジ…
私は内勤である。外出はあまりない。外回りの仕事がとんと想像つかない。内勤は外出への欲望を募らせる。どこかへ、どこかへ出かけたくなるのだ。 気がつけば富士吉田に向かっていた。富士山を見に行くのもよい。しかし、富士吉田はそれにとどまらない良さが…
東京でもっともチャーハンがおいしい町中華はどこなのか。 僕の(もちろん勝手な)回答は江戸川橋の新雅である。東京中の町中華を食べ尽くしたわけではないので、全くの個人的意見であることはご了承いただきたい。 ではなぜ、そんな妄言をわざわざ述べ出し…
「素晴らしい夜であった。それは、親愛なる読者諸君よ、われらが若き日にのみあり得るような夜だったのである」 「白夜」ドストエフスキー エピグラフを入れてみた。エピグラフには一般的に、作品にコンテクストを与えたり、余韻を与えたりするためのものの…
前編:日本語と台湾原住民のタイヤル語が混じった言語、宜蘭クレオールが話されるトビウオの街、東澳へ - 今夜はいやほい ここまでのあらすじ 日本語と台湾原住民族のタイヤル語混じった宜蘭クレオールという言語を聞きに、台湾の東澳という町にやってきたと…
「きくち、なにひとり飲んでる!乾杯!乾杯!!」 なぜだか僕は、宜蘭という街で、台湾の原住民族、タイヤルの人々に囲まれて無限に出てくる台湾ビールを飲まされてた。杯を乾かせば、即ビールを注がれ、高まる気勢の中乾杯だ!といって、コップを打ち付け合…
護国寺 TeF 気をつけて探さないと通り過ぎてしまいそうな店構え。 ランチは1500円と2800円のコースがある。4300円は要予約のもよう。 かぼちゃのポタージュ。とろっとろでおいしい。あまい。 パンももちもち。麦のいい香りがする。ポタージュにつけると最高…
台北駅の近く、台湾に唯一残っているらしい日星鑄字行という活字屋があるというので行ってみた。活字屋といってもなんなのか分からないという人が多いかもしれない。ざっくり言えば、文字を売っている店である。 当たり前のように慣れてしまっているけれど、…
タピオカドリンクを引き合いに出す必要もないくらいに、台湾は飲み物天国である。少し歩けば、生搾りジュースの店があり、茶を売る店があり、タピオカ屋がある。彩りも鮮やかに、多種多様な飲み物が売られているのである。そして、暑い、極めて蒸し暑いので…
重慶で一通り遊んで、ホテルへと戻った。中の下くらいのたいした特徴のないホテルだった。窓が一つもない閉塞的な部屋を割り当てられた。窓がないホテルというのは、時間や空間への感覚が曖昧になっていく。静かな白塗りの壁の部屋は、外の喧騒から完全隔絶…
チケット安いじゃんと、あまり何も考えずに台北行きを決めたら、六月の台北は、日本と同じように梅雨真っ盛りだった。しかし、雨に煙った街というのもそれはそれでなかなか艶やかなものである。 宿にいた看板猫のおーぱんちゃんに別れを告げて散歩に出た。 …
ゴールデンウィークに旧箱根街道を歩いてきた。空前絶後の10連休。人のいないところに行きたかったのだ。 平成は終わってしまいました。 出発地点は箱根湯本駅。歩き始めは曇り空だったのだけど、すぐ雲はひらけて、青々とした空になった。 たいして調べず…
花萌ゆる、喫茶森永 60年続く喫茶店、ナポリ 廃喫茶 昼ごはん、大垣中華園 喫茶スタイン イタリアンパーラーりぼん 喫茶古城 不思議な形をしたホテルです。 前日、意識を失うほど酒を飲んだため、朝起きると、頭に鈍い痛みがあった。食欲自体はあったので、…
沈みゆく夕陽とともに、大垣祭りはますます激しさを増していくのであります。 八幡神社の前には、おおくの人が詰めかけていた!警備員、老父、老婆、善男善女!!小学生!中学生!高校生!そのほか多数!通りは熱気で埋め尽くされていた。 みんなが神社の前…
「つまり、蕎麦を食べたということなんですよ」と僕は言った 「なるほどなるほど、それはよかった」と先輩は言った。 「鶴丸は、大垣が誇る至高の名店なんだよ。わかる?昼ごはんをもう食べているかどうかはというのは擬似的な問題であって、目の前に鶴丸が…
人々はなぜ、熱海へ向かうのか。 開発が一通り終わり、手近なリゾートとして、一世を風靡し、そしてまた廃れていくという、よくある諸行無常サイクルを経て、熱海は今、なんか古くさいところ的雰囲気を脱却し、いいかんじにレトロな世界観を作り出している。…
中国大陸を駆け抜ける、夜行列車の眠れない夜 -無座・硬座・軟座③ - 今夜はいやほい 重慶北駅 最初に重慶の秘境駅とネットで話題になっていた曹家湾駅を見に行くことになった。夜行列車で体の節々が軋みをあげていた。 開発が途中で終わってしまったらしく…
山田うどん、埼玉を中心としてチェーン展開する、うどん屋である。 「天国と、とてつもない暇」というタイトルの最果タヒの本がある。タイトルのインパクトが強く、本屋に行くと毎回、目にその文字列が飛び込んでくる。 僕は車に揺られながら、何を平成の終…
前:夜行列車は揺れる。いつだって一番おいしいのは真夜中のカップラーメン。 無座・硬座・軟座② - 今夜はいやほい いや~硬座ではなかなか寝れないと思いますよ!!と嘆いていた加藤はカップラーメンを食べ終えると一瞬で眠りについた。加藤はきっとどこで…
神楽坂と早稲田の境のあたりに、豆燗という日本酒のお店があるんですよ。 チャージが700円くらいなのだけど、出てくるお通しのクオリティが尋常ではないのだ…… 左上:オリーブの鰹節まぶし 左下:イカとシソのキムチ on the かまぼこ 中央:ココナッツの練り…
旅行先の宿泊場所を人はどうやって見つけるのだろうか。僕の場合はこのような形をとる。 まず、宿泊予約サイトを開き、宿泊予定地を入れる。そして、安い順でソートして、最低限基本的人権要件を満たしていそうな場所に泊まるというものである。そういう方法…
東京は夜の19時。仕事終わりの金曜日、友人たちと有楽町に集まった。 僕は時々、夜中に無性にどこかに出かけたくなるということがあった。発作的に思い立ち、友人と秩父山中の真っ暗なトンネルを歩きに行ったり、工場地帯をうろうろしたりりしている。日常か…
埼玉県で情操教育を受けた僕は、ただしく埼玉県民的に、池袋を愛し、日夜池袋の情報収集をしている。池袋経済新聞なる極めて局地的ウェブメディアを読んでいたら、フォーティンというハノイで大人気のフォー屋の世界第二号店がなぜか池袋にできる(ベトナム…
ポップソングというのはパフェだ。 パフェというのは、何をいれてもよい。アイスが入っていても、マンゴーが入っていても、餅が入っていても、ナッツが入っていても、もはやケーキが入っていても大丈夫だ。全体として甘くてキラキラしていればパフェなのだ。…
仕事でゆりかもめに乗ったので、豊洲市場に行ってきた。 歳を重ねるたびに、少しずつ、しかし確実に、前年より寿司がおいしく感じるようになっていく。寿司はそういう類の食べ物である。寿司は経年性嗜好品なのだ。 新しい鮮魚の帝国、豊洲市場の寿司やいか…