今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

資本主義・グローバルエリート・天理教の祈り 夏休みが取れたから京都にいってきた

有休がとれたので、京都に行くことにした。なぜ、京都か。夜行バスが激安だったからである。なんと1900円。ファミチキ10個ほどの価格である。ああ、悲しきかな、ありがたきかな低価格競争。LCCしかり、交通機関の値下がり競争には驚かされるばかりである。学生の頃であれば、間違いなく、1900円の夜行バスを使っていただろう。しかし、もう、私は、リッパな労働者である。勇んで3600円のバスのチケットをネットで購入した。

 

夜行バスほど人の体力を奪っていくものもない。体力の回復を図るのが睡眠であるはずなのに、起きると疲れているのである。すべての予想通り、朝6時30分に京都駅前につくと体はジェットコースターに5回乗り、10キロ歩いて、1時間正座で座らされたような疲労感で横溢していた。駅前にそびえたつ、京都タワーなど見やっては、朝っぱらから、ため息がこぼれた。

 

吉野家に入って朝食をとりながら検討をおこなう。京都で、何をしよう。もう、京都に来るのも4~5回目である。主要な神社仏閣などすでに行ってしまっている。なんとなく、安いし行ってみるかとふらふらやってきたはよいものの、実際に来てみれば、行きたいところも特にないのである。

 

吉野家の、味噌をお湯で溶かしただけとしか思えない、本当の意味でミソスープというべき武骨なみそ汁を飲んでいると、神託が降りてきな。”お前は金閣寺に行ったことがないぞ”そんな有名なところにいったことがないなどあるのだろうか。しかし、他に当てがあるでもなし、では行ってみようということで、武骨みそ汁を飲み干し店を出て、駅前でレンタル自転車を借りることにした。

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京都は寒い。春は馬車に乗ってくるらしいが、冬は夜行バスに乗ってやってくるのだろうか。件の夜行バスに殺られ、生まれたての小鹿のどとく貧弱になってしまった足腰に鞭を打ち、鴨川で鴨を眺めたり、本願寺を横目で流し見たりしつつ、寄り道しながらせっせと坂を上り、1時間半。

 

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金閣寺は姿を現した。しかし、金閣寺を見た、その瞬間、あ、金閣寺来たことあったわという、厳然たる事実に私は立ち尽くした。

 

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群れをなす修学旅行の浮かれ女子高生たちに囲まれ、ひとまず挙措を正してみる。うーむ、何をしようか。一人で来たのでしゃべる相手もいない。暇つぶしに京都駅に着いた時に撮った京都タワーの写真をFBにあげる。するとすぐタイ人の友人からメッセージが飛んできた。

 

「へーい、きくち!おれも来月京都いくぜ!」

 

「そうなんだ!京都はいいところだよ~」

 

「ここに泊まるんだ、この辺はどんなところ?」

 

リンクが送られてきたので、開いてみる。

 

 

 

 

一泊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

である。

 

 

私が、4000円の安ホテルに泊まっている間に、同い年のタイ人の彼は伝統と趣を感じさせる 4万円/ の洒落旅館に泊まるのである。これがグローバリゼーションか…と戦慄いた。タイでラジオDJもやってるらしい、英語ペラペラ外資系金融マンと、トウキョーの片隅に生息するしがないサラリーマンでは、所得など比べるべくもないのだけど。

 

彼と出会ったのはオーストラリアの語学学校であった。その頃の彼といえば、ひ弱でヒョロヒョロな人懐っこい男だったのだが、いつの間にかフェイスブックに自分の隆々たる筋肉を映した写真を上げるようになり、気が付けば、ムキムキラジオDJグローバルエリートになっていたのである。

 

そんな、英語ペラペララジオDJ外資系金融タイ人の友人が、来月きくちも京都一緒に回ろうぜとメッセ―ジを送ってくる。

 

君が旅館代持ってくれるならばやぶさかでない、などというというしみったれた言葉を、心の片隅に幾ばくか残っていたプライドによってしまいこみ、休みが取れたらね。と返信する。

 

世界の現実をまざまざと見せつけられた私は、京都はもういいやという気になり。

 

電車に飛び乗った。そうだ、天理へ行こう。一度行ってみたかった宗教都市へ行こうではないか。

 

つづく(つづかない)