暑い、毎日が暑い。空焼きしたようなアスファルト、吹き付ける熱風、逃げ水がはいずり去っていく。そうだ、軽井沢へ行こう。軽井沢といえば避暑地、避暑地といえば、軽井沢なのである。きっと涼しいに違いないとの目論見の元、ひとり1万5千円の貸別荘を予約した。
会社の同期の人を呼び寄せ、車を出した。軽井沢でなにしようと議案を提出しては、脱線してく無意味な会話。みんな平成生まれなのに、ユーミンをかけた。山を縫うように駆け上がっていく。海から遠く離れて、カーステレオからながれる埠頭を渡る風。
緩いカーブであなたへ倒れてみたら何も聞かずに横顔で笑って
ユーミンは何万人の恋する男女のチープな言い訳に使われたのだろう。
緩いカーブどころの騒ぎではない長野の山道、運転手である僕が真っ先に酔ってしまった。山は深く緑色で、道はこまったことにどこまでも続いているのだ。
3時間のドライブの末、軽井沢に到着した。さざめく軽井沢銀座商店街、気合の入った蕎麦、深閑たる白糸の滝、たわわにみのってキンキンに冷やされた桃。夏がいま、目の前にあるぞ!
ソーセージを大量購入し、軽井沢高原ビールを全種類買いそろえ、いざ別荘へ。壁一面の棚にCDがさしてある。サザンオールスターズの世に万葉の花が咲くなりを再生したらもう、夏はたけなわなのであった。ソーセージはいい匂いをたちあげながらパリパリの皮をはじけんばかりに膨らませている。
缶ビールをぶち開ける。しゅぽっっっっっ
夏休みの日記でした。