今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何かについて考察するブログ

夢で見たよな 大人って感じ? 小沢健二 「魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ. Zepp Tokyo」に行ってきた

東京最終公演に行ってきました。

 

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ライブ会場に入ったら四方八方女性でした。両隣の二人は一曲目で号泣。いやいや、泣きすぎでしょと思いますよ、当然。ところが、二曲目が「フクロウの声が聞こえる」っていう新曲だったんです。歌詞がステージの背景に投影されていて、微動だにせず、流れる文字を追いながら音を聞きました。そしたら、涙が瞼にどんどんたまってきてしまいました。

 

童話的な意匠をまとった、文学的な言葉遣いと、思想めいた視点でかかれた一曲でした。どんどんと胸を打つのです…… オザケンというと、その瞬間にだけパッと現れるような感情、それはとりわけ恋として描かれているようなもの、に対して繊細な感覚を持っている人という印象でした。ところが今回の新曲群は、歌詞がお父さんでした。博愛的で優しい歌詞がたくさんありました。LIFEのオザケンはもういないんだ。

 

二曲目はうろ覚えなんですが、生まれるのは子供じゃなくて、本当に生まれるのはパパとママのほうなんだよっていう歌詞でした。結婚してよ、一緒に住んでよ、やめときなってきっと僕は死ぬまでずっとワガママだから、なんていう歌詞を書いていた王子様のオザケンが、運命とか必然を受け止めている!なんかすごい頼りがいのある人間になっている!

 

次の曲は、「大人になれば」です。夢で見たよな 大人って感じ?ちょっとわかってきたみたいなんて歌いだすんです。ここでもなんか泣きそうでした。かっこいい歳のとり方をしたなあと。トリックスターだったオザケンとお父さんになった小沢健二が、いい具合に混ざり合ってまさに「虚構と現実が一緒の世界へ」←新曲の歌詞

 

正直、小沢健二が今でも、現役のミュージシャンとしてプレゼンスを示せるのだろうかっていうのは自分だけではなく多くの人が心配していたことなんじゃないかと思います。懐メロおじさんになってしまっていないのだろうかと。本人にも、そのプレッシャーは十分にあったはずで、環境音楽っぽいものを作ってみたりしていたわけですが、完璧にポップでロックで魅力的な楽曲群を携えて小沢健二は帰ってきたのです!

 

普通の人が普通に聞いて心動かされる大衆音楽を書くというのは単に丹誠をつくすとかそういう事だけではないはずで、きっと気が抜けているときに、ふと抜群の歌詞やメロディーが降りてきたりだとか、想像以上にバランス感覚が必要で難しいことなんだろうなと思います。

 

トリックスターでも王子様でもなくなってしまったけど、ちょっと骨太で頼りがいのあるアメリカンなお父さんになった小沢健二の言葉ができるだけ多くの人に、届いていくといいなと思いました。

 

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浪人生活を始めた頃に聞き始めて、6年間。まだまだ新規の域かもしれませんが、心から胸が熱くなった一夜でした。