今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何かについて考察するブログ

神楽坂の最適解は、第三玉の湯からの深夜営業まる田ラーメン、これである

神楽坂の隅にある、第三玉の湯。東京の銭湯というのはだいたい熱い、もれなく玉の湯も熱い。湯につけた足先がひりひりするも、我慢して体を沈めていく。熱さに慣れてきたら、ジェットバスの激流を背中にぶつける。叩きつける水流はさながら滝行。除念、陶冶、煩悩滅却である。20分ほどで体が尋常ではない熱を持つので、ひーという声を上げながら脱衣所に戻る。しばしの、呆然のあと、銭湯を後にする。

 

自転車にまたがる。水を買って、ボトルをひねり、涼をとる。一息ついて、一緒に来た友人に、さも意味深なムードを作り、あのさ……と告げる。

  

深夜だけやっているラーメン屋があるらしいんだけどさ、行ってみない?

 

間髪入れずに、何それ行こう!という返事が返ってきたので、僕たちは、画一的に照り付ける街灯の下、ラーメンをめざして歩き出した。

 

午前0時を過ぎた神楽坂は、大変静かだった。石畳を歩くと、カッカと音が鳴る。

 

f:id:kikuchidesu:20180425210210j:plain

 

誰もいない街、を自転車を押してつかつかと歩くのだ!

 

f:id:kikuchidesu:20180425210315j:plain

 

着いた!!食べログによれば、ここに店があるはずとのことだ。ネットを使えば、すべてが一瞬で見つかるものだ。21世紀はすごい、勝利を確信し、店の前にあったベンチに腰掛ける。

 

f:id:kikuchidesu:20180425210419j:plain

 

開店する気配がない…… 店から店員が出てきた。お、やっと開いたのかとどきどきしていると、まる田に来たの?あれ、もう移転しちゃったよ、ここを下っていったところの焼き鳥屋に入ってるらしいよ。そう言って、店員は風のごとく去っていった。

 

「どうしよう……移転してしまったらしい。どこだ…」

 

僕はにわかに動揺した。

 

食べログを過信しすぎたね、とりあえず、降りて行ってみようか」

 

友人はやさしかった。

 

とにかく、下っていったところにあるらしかったので、僕たちは、言われて通りに道を下った。街を駆け抜けた。

 

f:id:kikuchidesu:20180425210441j:plain

 

神楽坂の端のほうを探してみた。ほとんどの店は閉まっており、そもそも営業している店すら三つからないような状態だった。

 

「どこだ。見当たらないぞ」

 

「焼き鳥屋って言ってたよね」

 

「う~ん、これより先に行っちゃうと神楽坂を出ちゃうからなあ」

 

なんていう話をしていると、深夜だけ営業しているラーメン屋、まる田は突如目の前に姿を現した。ただでさえ分かりにくいのに、植物が入り口を覆って、さらなる分かりにくさを演出していた。

 

f:id:kikuchidesu:20180425210552j:plain

 

「これか~わかりにくすぎじゃない!?」とかなんとか言いながら、友人と歓喜を分かち合い暖簾をくぐった。

(ちなみに場所は串焼きてっ平で調べるとよい)

 

落ち着いた雰囲気の内装だった。先客が二人いた。ラーメンは950円と少し高めだ。

 

f:id:kikuchidesu:20180425212040j:plain

 

いや、これはなかなかいい探検だったなあと、二人で感慨に浸っていると、ラーメンはやってきた。

 

f:id:kikuchidesu:20180425210700j:plain

 

古典的なラーメン碗に古典的醤油ラーメンである。いやあ、ネギがいいね、いや、むしろメンマなどと言いつつ、箸をつけた。

 

「これは、むむ、うまい!」

 

「ずずずず、おいしい!」

 

ラーメンとしてうまいかといえば、普通のラーメンなのだが、深夜に食べるラーメンは破壊的にうまいのが常である。無心で麺をすすった。ソビエトロシアでは、ラーメンが人を食べる、そんな気分だった。

 

「大勝利だなあ、いい休日になった」

 

春先の花粉に加え、ラーメンの豊かな湯気により洪水のように鼻水が出てきた。

 

「そうだね。しかも、明日もやすみだからね……」

 

友人はニタリと笑った。

 

鼻歌まじりで帰路に就いた、3月の夜のお話であった。