今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

台湾最後の活字屋、日星鑄字行で文字を買ってハンコを作る

 

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台北駅の近く、台湾に唯一残っているらしい日星鑄字行という活字屋があるというので行ってみた。活字屋といってもなんなのか分からないという人が多いかもしれない。ざっくり言えば、文字を売っている店である。

 

当たり前のように慣れてしまっているけれど、我々は、ボタン一つでプリンターからぴーっと一瞬で文字列が印刷され出てくるという革命的時代に生きている。冷静に考えてみるとこれは驚くべきことである。ほんの少し前までは、職人が活字を拾い、組み合わせ、ばこばこと印刷が行われていたのである。

 

日星鑄字行 

 

活版印刷文化はここ数十年で急速に失われつつある。台湾でも、それは同様らしい。せっかくならば、消えゆく活字文化に触れてみたいではないか!ということで来てみたのである。

 

日星鑄字行の店構えは町工場のような雰囲気だった。無骨な感じでよいなと思った。月曜日と火曜日が休みらしい。

 

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日本人もけっこうくるのだろうか。日本語でも注意書きがある。買うつもりのないものは触らないようにしましょうと書いてある。スマホのアプリとかもあるらしい。

 

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店の中は、びっしりと活字だらけである。 ところせまし!活字!活字!活字!

 

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この活字たちは、なんでも鉛でできているらしく、触るときは気をつける必要があるらしい。鉛の活字は一般的なのだろうか。漢字のほかにも、カタカナ、ひらがな、アルファベットなどもある。職人の一品的な気品があり、眺めているだけでも結構楽しい。

 

堂々たる棚の隙間を縫うように歩きながら、活版印刷を編み出したとされるグーテンベルクに思いを馳せてみる。ルネサンスを駆動したのもののひとつは活版印刷技術と言われている。立ち並ぶ棚の一つ一つの活字に、知や自由、信仰への欲求が詰まっているような気がしてくる。

 

 

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自分で探し出すのはあまりにも大変なので、欲しい字を紙に書くと、店員さんが膨大な活字の中から、その字を探し出してくれた。

 

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 店員さんが、活字をばこっとはめ込んで印鑑を作ってくれた。ひとつ400円くらいだったような気がする。名刺とかも作ってもらえるらしい。インクも別で購入する。

 

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三文字でひとスペース余ったので、謎の花柄を埋めてもらった。買ってはみたものの使うあてもあまりないので、とりあえず手帳にいっぱい押してみた。アナログな手触りのある世界というのはしみじみと落ち着くものだなあと思う。

 

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単純にハンコ作りもたのしいし、長い印刷技術の歴史を感じることもできるので、台北に行く機会がある人は、よかったら日星鑄字行に行ってみてね。

 

 おわり