今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

マッチングアプリで出会った人間に、サンリオのクロミの人形を買わせる詐欺

中学の頃からの友人に会った。友人は、小指の骨が折れたのだと言った。なんでも残業続きで、スクーターに乗りながらうとっとしたら、こけて、転げて、小指の骨が折れたのだそうだ。会社はやめたよ、と彼は言った。

 

僕は臓器が荒れて、一週間寝込んだよと言った。彼は、ハハと笑って、アイスコーヒーを飲んだ。喫茶店のステレオからは、テレサ・テンの「一度の人生それさえ 捨てることもかまわない」という仰々しい文句が流れた。

 

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結婚おめでとうと彼は言った。ありがとうと答えると、俺は、マッチングアプリでさ、一昨日、2歳年下の女の子にあったんだよと彼は言った。

 

いいじゃん、どうだったの?と聞くと、なんかね、夕飯を食べに行ってさ、駅まで歩いていたら、百貨店に寄ろうって言われてさ、サンリオのさ、クロミのぬいぐるみを買ってって言われてさ、気がついたら、8000円が飛んでたよと彼は言った。

 

僕はハハと笑って、トーストセットについていた、小鉢のサラダを食べた。それなに、なんか、騙されてないの?と言うと、騙されているのかどうかはわからないけれど、次の日に連絡が取れなかったということは事実だねと答えた。

 

クロミ詐欺に対する遺憾の意を共有し、しばし静かにコーヒーを飲んだ。二人の共通の友人の話になった。そういえば、Kはなんか、テレビに出て、高田純次と共演したらしいよと教えてくれた。え、そんなことになってるの? 大変なことだなあと、やはりコーヒーを飲むと、BGMはColdplayになっていた。

 

Kは、しかも、俺が当時好きだったWと付き合っていたらしいのだと友人は言った。僕は大変驚いた。何故なら、Kは、僕の目の前に座る友人に、あの子にメールしてみなよとけしかけたりしていたからである。

 

10年以上前の中学校生活の、いくつかの友人たちとのやりとりが脳内に再現された。ような気がした。もうほとんどのことを忘れているので、そのいくつかの像は、何が本当でなにが妄想なのかもよくわからなかった。