今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

ホッチキスを無限に打ち続けるホッチキス労働をしていた。カチカチカチカチやっていたら、右手に違和感がたまってきた。家に帰って、パソコンをひらき、キーボードを打った。みしみしと痛い。腱鞘炎になっていた。ツイッターを開いた。都知事選が話題だ。安野たかひろさんがTLにちらほら出てくる。僕が無限ホッチキスと戦っている間、同世代のエースは都知事選に出て小池百合子と戦っているらしい。

 

22時、友人から電話がかかってきた。人生が危機なのだという。笑えない話なのだけど、笑ってしまうくらい危機的状況であるようだった。30分ほど話を聞いた。会社が崩れそうなのだという。これは経済的な意味でもそうなのだが、物理的に建物に致命的欠陥があり、文字通りの意味で本当に崩れそうでもあるらしかった。「きくちくん、まずい所というのは徹底的にまずいことになっているものなんだよ」と友人は言った。

 

十年の付き合いの友人だ。友人は、”劣っている”が口癖で、僕のことをよく「劣っている、劣っている」と言っていた。友人は自らの苦境に何か思うことがあったのか急に「劣っている、劣っている」と言ったことを謝罪した。「劣っていたのは僕のほうだったからね」と友人は言った。僕は「別にいいよ、友達だからね」と言った。強調しておくかと僕は「つまり、そう、友達だから」ともう一度言った。わざわざ友達であることを明示的に伝えたことが小学生のようなコミュニケーションで面白かったのか、友人は、ははっと笑っていた。

 

友人は、舌の根も乾かぬうちに、まあ君は、社会人一年目のころは本当に劣っていたけどねと言って、電話を切った。

 

キーボードを打つ手はじんじんと痛いのであった。