歳を重ねるたびに、少しずつ、しかし確実に、前年より寿司がおいしく感じるようになっていく。寿司はそういう類の食べ物である。寿司は経年性嗜好品なのだ。
新しい鮮魚の帝国、豊洲市場の寿司やいかに……
こんな感じの公的施設間強めなドアをくぐって中に入っていく。豊洲市場は、築地みたいな開放性はないのだなあ。ただ、築地より圧倒的に清潔そうである。
飲食街は、人でごった返していた。仕事の合間に行ったので、あんまりだらだらと待つことができない……
一店舗だけ、一人も並んでいない店があったので、晶という店に決める。
コース
・おまかせ12貫 4600円
・おまかせ8貫 3300円
・まぐろ8貫 3700円
・海鮮丼 3600円
といった構成である。
8貫で3300円、これはお手頃である。しかし、8貫で足りるだろうか。これは間違いなく、足りない。博多のラーメン替え玉なし状態の不全感に陥る可能性がある。しかし、12貫だと昼ごはんにしてはまあま高い。
ひらめの昆布しめ
そう、人間の理性など、寿司を前にしてかすみ草のようなものである。僕は幸福の12貫コースに突入した。店の前に一人も並んでいなかったので、大丈夫かな……と思っていたのだけど、これが脳天直下においしいのである。ヒラメの下に、ネギの芽ねぎが挟んである。おしゃれだ……
大間のマグロ
柔らかくてつるつるしている。しかし、赤身の肉っぽい感じもしてよい。上品な味がする……晶では、醤油?たれ?を職人の人が寿司につけてから出してくれる。これが大変に的確なのである。シャリとネタと、調味料のバランスが素晴らしいのだ…
ごまさば。臭みもなくおいしい。包丁で、切れ込みを入れて、口当たりをよくしているのだろうか… どの寿司も、手間がかかっていて、出てくるのがたのしみになってしまう。
晶は、豊洲市場の開場が遅れたために、一時的に築地で店を開いていたものの、基本的には、豊洲市場が始まって、商売を始めた店であるらしい。新しい店であることの自由さなのか、どの寿司にも工夫があってたのしくておいしい。
これがね…… さわらなんですね…… この寿司を食べた瞬間に、この店はやばいなと思った。口に入れたときの驚きたるや!上にちょこんと載っている薬味、これが、絶妙な風味を放ってくるのである!寿司のうま味を消さず、味わったことないような香りを口の中に現出させる…すごい……
おもわず、これ何が乗っているんですかと職人の人に聞くと、ネギとニンニクを刻んだものなんですとのことである。組み合わせの妙とはこのことかといった完成度の高さで、こんな寿司食べたことない!とおどろいてしまった。めちゃくちゃおいしかった。
さより。さわらがあまりにおいしかったため、どんな味だったかまったく思い出せない…衝撃によりピンボケしている。
大トロ。ネタの厚さ!必然、必然ですねうまいのは……
なんと箸休めにセロリが出てくる。え、そんなの合うの?と思うじゃないですか。これが口の中をいい感じにさっぱりさせてきて、むしろガリよりいいのでは?というような組み合わせのよさなのだ。そうか、セロリなのか……ムムム…としみじみ味わってしまった。
シャコです。シャコって初めて食べたけど、おいしいのね…エビにちかい感じのうま味がある。舌触りもなんだかいい感じだ。
車エビとホタテを挟む(写真撮り忘れた)
しらうお。ぷりぷりだね。寿司職人のお兄さんは、気さくな人で、いろいろ説明してくれる。すし屋って怖い職人がいたりするから、優しい人だと安心する。
青森産の紫ウニ。とろとろだね。おいしいね。
穴子の白焼き。塩がまぶしてある。これも味付けが絶妙なのだ… 寿司食べてると、あ、醤油つけすぎたなみたいなのが発生してしまうじゃないですか。晶は全部味付けして出してくれるから、安心し食べられる。しかも、一貫ずつアイデアがある、新しさがある。本当にすばらしいと思った。人気が爆発しないうちにまたいきたい。
豊洲市場「晶」いかがでしたか?(ネット文法)
こんなおいしい寿司を並ばずに食べられる!素晴らしいとは思いませんか!!