今夜はいやほい

きゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」のいやほいとは何か考察するブログ

とっておきの岩を見つけるための旅

家を出て、とりあえず西のほうに行ってみるかと電車に乗った。寄居に行ってみるかと思った。寄居は埼玉の中でもかなり知られていない地域の一つなのではないだろうか。秩父まで行くと遠いし、人もたくさんいるので、その一歩手前くらいにしようかなというような感じの位置の地域だ。

 

寄居には名物がある。タレかつ丼だ。駅近くの今井屋は100年以上前から営業をしているらしい。老舗中の老舗である。埼玉の西側は豚食文化が強く、とりあえず豚関連の食べ物を食べておけば美味いのである。

 

よく晴れた日で散歩日和だ。

 

今井屋に入った。歴史ある店の威厳を感じる。かつ丼を注文した。

 

 

寄居のタレかつ丼は、卵でとじられておらず、とんかつをたれに浸して、ご飯の上にのせている丼である。丼がやってきた。青く重たそうな器である。とんかつがはみ出していて、ほとばしるエネルギーを感じる。

 

 

蓋を開けた。とんかつが現れた。タレでびちょびちょというほどではなくて、軽くくぐらせたくらいなのだろうなという感じだった。とんかつの断面を見ると、肉は少し水気を残していて、大変美味しそうであった。

 

 

とんかつの端のほうを米と一緒に食べる。パン粉の香ばしさがなかなか良い感じで、タレの甘味が米とよく合っていた。卵とじ出ないので、甘すぎないのが大人っぽくてよいなと思う。肉は、適度な柔らかさで、分厚すぎずよいとんかつだった。僕は、かつ丼のとんかつは太すぎると美味しくない派なのである。

 

今井屋を後にした。ぶらぶらと道を歩いた。猫が店番をしている本屋があるというので行ってみることにした。もともとたばこ屋だったらしく、こぢんまりとした本屋だった。猫はそれはもう心地よさそうに眠っていた。

 

もう少し奥まで歩くと荒川に出た。あの東京から埼玉に出ていくときに見える荒川である。荒川も、これだけ上流にさかのぼっていくとなかなか綺麗なものである。

 

河原をだらだらと歩いた。日が強く、何のためでもなく川はギラギラに光っていた。

 

 

でっかい岩があった。高さは2メートル弱有りそうだ。岩の上は座ってくださいと言わんばかりの窪みがあった。別のデカ岩からひょいと飛び移り石の上に乗った。腰を下ろした。岩肌はそこそこ滑らかで座り心地は悪くない。ごろりと寝ころんだ。岩はいい!川のしゃぱしゃぱとした音が聞こえた。カヌーをやっている人がいるようた。寒いけれど、陽の光であったかい。

 

 

勝手に、このデカ岩は、自らの専用岩とすることにした。デカ岩の上でしばし本を読んだ。周辺何百メートル、僕と、カヌーに勤しむ男性以外誰もいなかった。働きたくないなあ、カヌーでもやって、ただ下流へと流されていきたいなと思った。肌寒かった。しかしそれは読書によいことだった。お気に入りの岩を見つけると人生はより良いものになるようである。