チケット安いじゃんと、あまり何も考えずに台北行きを決めたら、六月の台北は、日本と同じように梅雨真っ盛りだった。しかし、雨に煙った街というのもそれはそれでなかなか艶やかなものである。
宿にいた看板猫のおーぱんちゃんに別れを告げて散歩に出た。

室外機のひしめく路地を歩いていく。

まずは腹ごしらえに三延夜市へ。

賑わっていたので、三重 知高飯という店へ。

巨大角煮。小さな拳くらいの大きさがある。台北の米は日本にちかいもちもちしたものが使われている。おいしい。

エネルギーを摂取して俄然元気になってきたので、街歩きを開始する。雨が降り始めていた。

信号機や車のテールランプが路上の水膜に反射してなんだかうつくしい。



豪奢だ。

ひっそりとした道を歩いていくのが楽しい。

迪化街を歩く。昼間に人でごった返しているのが嘘のよう。


どしゃ降りだった。

屋根のある通りへ避難する。世界から動きが消えてしまったかのような静けさだ。

マンションは複雑に空間を埋めている。

入り組んだ路地であなたに出会いたいそれはムード 甘いムード


犬が外で雨に打たれていた。体を柱に繋がれていて動けないようだった。台北犬は悲しげな顔をしていた。


23時も過ぎていたけど、親子が歩いていた。子供の歓声がひびいていた。子供はどこの国でも元気だ。

夜更けのさみしい繁華街。

神は見ています。

システムも見ています。

電光だけが忙しない。

バイクは光を吸っています。

霧雨の降り注ぐ街。

湿度が高くてすこし息が苦しい。

花を撃って雨が降ります。

ネオンは定常。

信仰。

分かれ道。


台湾啤酒を飲みながら帰ろう。

人気のなくなった台北の街は静かに憂愁をたたえておりました。